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1997年にUNLVを卒業、現在大手旅行会社であるJTBのラスベガス支店で働いていっらしゃる畑井啓亘(ひろゆき)さんの登場です。このインタビューを敢行したのは12月初頭、ラスベガスでは丁度、閑散期にあたる時期。今回はちょっとリラックスして居酒屋さんでのインタビューとなりました。

自己紹介をよろしくお願いします。

 JTBのラスベガス支店でオペレーションスーパーバイザーとして働いている畑井啓亘と申します。

オペレーションスーパーバイザーという仕事は具体的にどういったものですか?
 仕事の内容としてはガイド、オプショナルツアー、ディスパッチのマネージメントです。 カスタマーサービスを扱うセクションで、 お客様がラスベガスに滞在している間にトラブル無く、楽しく過ごしていただくように全てを 管轄するのがオペレーションの仕事です。そして何かうまくいかなかった場合(クレームが 挙がったりすると)そのクレームを処理しなければいけません。 そのセクションを管理しているので私の役職はクレーム処理みたいな部分があります。ラスベガスでの旅行中になにかお客様とのトラブルが起きた場合、真っ先に駆けつけるのが私です。
とても大変な仕事だと思いますが、今の仕事の魅力はなんですか?

 そうですねー、はっきり言って楽な仕事ではありません。自分が犯していないミスや、予期せぬ理不尽な事などにも対応していかないといけませんし。でもその問題を解決して、お客様に喜んでいただいた時は最高ですね。例えば、めちゃめちゃ怒っているお客様に話しをしに行ったりすることがあるんですけど、いろいろ話した結果、最後には満足してもらい、日本から礼状まで届いたことがあったんですよ。そういうことがあるとほんとうれしいですね。

それと毎日がとても刺激的です。いつもいつも同じような問題が起こるわけではないので、毎日が勉強ですよ。やはりお客様の中には対応が難しい方もいらっしゃるんですよ。でも、そういうお客様だからこそやりがいがあって、どうやったらこの方を満足させることができるだろうって思うんですよ。しかも、そういう時ほどもえるんですよ(笑)。

すごいホスピタリティ精神ですね。畑井さんはそもそもなぜ今のようなホスピタリティ業界にはいったのですか?
 私、高校からアメリカに留学していたのですが、その時旅行でリノに行って、そこのホテルを見たとき、漠然と「この業界かなぁ」って思ったのがきっかけですかね。もともと人と接することは好きだったんですよ。その後、サンフランシスコのカレッジとUNLVで本格的に勉強しました。
高校から留学されていたんですか。それでは少しそのころの話を聞かせてもらいますか?
 サンフランシスコの高校にいっていたんですが、その当時は語学面ですごく苦労しました。英語はほとんどしゃべれない状態で来たので、クラスについていくのには苦労しました。はっきり言って高校では英語のコミュニケーションスキルは全く付きませんでした。はは。 というよりも高校では全くといっていいほど喋れませんでした。けれど人生の中で一番 勉強した時期でしたね、というのも何の教科書を読んでも全て英語で書かれているので辞書との 格闘です。ボキャブラリーはその時に飛躍的に増えました。ちなみに私の先生はMarried with children の Al Bundy です。(って知らないか)
畑井さんの英語は完璧だとアメリカ人の友達が言っていたのですが、どのように英語を勉強していたのですか?

 英語が話せるようになったのはサンフランシスコのカレッジに入ってからです。うちのカレッジではクラスの間、実践で働くような場面というか、時間がありまして、そのときキッチンで働いていたんですよ。まわりはすべて外国人だったのでどうしても英語を話さないといけない環境がありまして。そこで本当のアメリカ人との暮らしが始まりましたね。その頃は日本人の友達を 意識的に作らないようにしてました。100%英語の環境をつくるために。 あとは、時間がある時はテレビばっかり 見てましたね。フレーズを声に出して発音とかしてました。 はっきり言って危ない人です。カレッジに入ったときには全く英語が話せなかった留学生が卒業時には代表のスピーチですから笑っちゃいます。

UNLVでの学生生活はどうでした?
 学部はホテル学部でした。でもそのころにはホスピタリティの中でもコンベンションやツーリズムのほうに興味があったので、ホテル学科ではなくコンベンション学科でした。ホテルにはあまり興味はなかったですね。もともとなにかを企画したり運営したりすることが好きだったんですよ。UNLVでもJapanese Association みたいなものをつくってみんなに情報提供とかしていました。そのころは英語は十分だったので逆に日本人との繋がりも大切にしていました。
なるほど。そしてこれを読んでいる人たちが気になるJTBへの就職のことですが、何がきっかけでJTBにはいったのですか?
 UNLVにいっている時にバイトでガイドをしていたんですよ。そこはJTBではなかったんですけど。その時に知り合ったJTBの早川さんに仕事を手伝わないかって言われてJTBに入ったんですよ。言わばヘッドハンティングですね(笑)。


 JTBの前身は1912年、日本国政府が外国人賓客を歓迎、もてなす目的で設立した、国営の団体「ジャパン・ツーリスト・ビューロー」。その後、日本交通公社として株式会社化され、文字通り日本の旅行業の歴史と共に歩んできた名門企業である。畑井さんの勤務なさっているJTB International社は1946年に設立された米国法人。設立以来、半世紀にも渡って日本からの旅行客をおもてなししつづけてきたアメリカにおける日系企業の先駆けである。



卒業後すぐにJTBに入社されたのですか?

 そうですねー。実は卒業後すぐにはJTBで働いていないんですよ。はじめはあるエンターテインメント会社に就職しました。でもその会社がつぶれてしまいまして。あの時は大変でした。次に知り合いが新しい旅行会社をつくるということで、そのビジネス立ち上げのお手伝いをしていました。もともとなにか新しいことをやるということが好きだったので、ほんとうに楽しくやりがいのある仕事でした。でもちょうどその頃、さっきも話したようにJTBの早川さんからお誘いの言葉をいただき、JTBにいくことにしたんですよ。

なるほど。JTBにたどり着くまでまで道のりは長く険しかったんですね。JTBにはいってから、はじめはどんな仕事をしていたのですか?
   はじめはバスの手配とか雑用でしたね。それでも仕事をどんどん覚えていくにつれてもっともっと責任のある仕事をできるようになっていきました。みんなはじめはゼロからのスタートでどんどん慣れて上達していくものなんですよね。
プラクティカルトレーニング後、就労ビザを取得されたのんですよね?就労ビザ取得は難しいとよく聞きますが、やはり簡単にはいかなかったんですか?
   はい。プラクティカル後、就労ビザをJTBに出していただきました。すんなりとはいかなかったです。実はJTBにビザを出してもらう際、6ヶ月間無給料の時代がありました。その間はやはり不安でもありましたし、少ない蓄えの中から生活を しなければならなかったダークエイジです。私を含め、ビザを取得したり、永住権を取得したりした人は必ず辛い目にあっています。でも、会社がその人を必要としていればビザ、永住権を取得できると思います。一人でも多くの人がアメリカで頑張っていけるように祈っています。
今、永住権を申請中ということですが、それだけ会社が畑井さんを必要としているということなんですよね。
 

 そうだと思い込んでます(笑)。

やはり頑張っていれば、それだけの結果はついてくるということですね。それではここでこのインタビューを見ている、旅行業界志望の学生さんたちにアドバイスをお願いします。

 旅行業界は一見華やかに思えがちですが、実際はとてもどろくさくわりに合わない仕事だと思います。こんなこといっていいのかな(笑)。でもある意味本当にこの仕事が好きで、お客様に喜んでもらうことにやりがいを感じるようなホスピタリティ精神を持った人でないとだめだと思っています。就職活動をする時そのことをよく考えてから決めてほしいと思っています。

面接の時のアドバイスはなにかありますか?
 学生さんたちの中にはJTBはとても敷居が高いというか、なにか近寄りがたいとかいうイメージをもっている方もいるかもしれません。時々、面接の時に、自分の学歴や成績があまりよくないことを気にするあまり、とても自信のない面接になってしまう人がいます。そういう考えの人は絶対に受かりません。ここはアメリカです。日本ではありません。一番大事なことは、この会社で何かをやってやろうという意志を見せることです。一言でいうと「アツイ人」ですね。「JTBなんてたいしたことないじゃん、おれが入社してJTBを変えてやろうじゃん」くらいの意気込みがあってほしいです。
とてもためになるメッセージありがとうございました。そして最後の質問になりますが、今後の目標みたいなものはありますか?
 そうですねー。ホスピタリティ業界の底上げですかね。ラスベガスはホスピタリティで成り立っている街だと思っているのですが、まだまだそのサービスは日本、ヨーロッパには及ばないと思います。とくに今私は日本人のお客様を相手にする仕事をしています。アメリカ人のお客様を相手にするのと同じではだめだと思っています。今日、インターネットの普及に伴い旅行代理店業が淘汰される状況になってきています。今後旅行代理店業が生き残るためには、インターネットではできないカスタマーサービスの強化、徹底が必要だと思っています。そのためにはホスピタリティ精神、産業の底上げが必要不可欠です。私の仕事がすこしでもそのお役に立てればいいと思っています。そのためにも日々努力したいと思っています。
今日は長い間、インタビューにお付き合いいただきほんとうにありがとうございました。これからもがんばってください。
こちらこそありがとうございました。



とても楽しく、また、ためになるインタビューでした。今回はすごく真面目に受け答えしてくださった畑井さんですが、普段はホスピタリティ精神丸出し(?)の面白い人です。もっともっとこういう方が旅行業界に増えてくると今後も旅行業界安泰だと思いました。
 インタビュー後には、当サイトのメンバーと共に宴会へと突入してしまった畑井さん。最後には「頭にネクタイ」というこんな御無体な姿に・・・
  ちなみにこの写真はご本人の了解と、強いご希望により掲載させて頂いております(笑)。

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