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 2003年にUNLVを卒業された新居三立(あらい みつたつ)さんの

 インタビューです。

 異国の地、中東カタールのリッツカールトンホテルでのお仕事の様子、

 そしてそこでの経験から学んだことについて伺いました。

インタビューご協力ありがとうございます。自己紹介からお願いしてもよろしいですか?

 こんにちは。2003年12月にUNLVのホテル学部を卒業した新居三立(あらいみつたつ)です。日本の大学を卒業後、2001年からUNLVで学び、卒業後1年半ほどは、ラスベガスの宿泊特化ホテル及びカジノホテル、そして中東のカタールのホテルで勤務後、2005年の6月に日本に帰国しました。

ラスベガスのベネチアンからカタールのリッツカールトン、そして東京のマンダリンオリエンタルへ転職予定ということですが、その経緯などを聞かせていただけますか?

 卒業後の10ヶ月間はラスベガスで働いていました。最初は学校の近くのアメリスイーツでフロントとして働き、その後、ベネチアンの方でもバトラーとして採用されたので、両方掛け持ちしていました。しかし、労働許可が1年で切れることもあり、その後の進路を日本への帰国も踏まえて考えていたところ、たまたま中東カタールのリッツカールトンでの求人を見つけたので、応募してみたら採用されました。

現在、中東は各国政府をあげてツーリズムに力を注いでいると聞いていましたので、良い経験になると思いました。その後、カタールで働いている最中、卒業後に一度応募した(その時は先方の予算関係上、募集が中止)、ハワイのマンダリンオリエンタルでのマネージメントトレイニーのポジションが再度募集されているのを知り、アメリカに戻るチャンス、そして現場での更なる専門的な勉強ができると思い、再度応募してみました。すると、先方の人事部長が僕のことを覚えており、採用プロセスを経て、めでたく採用となりました。

その後、リッツを退職し、今年の6月に日本に帰国し、渡米の為にビザを申請したところ、アメリカの領事館から却下されてしまいまして、ハワイの話はお流れになってしまったわけです・・・。その後、深い挫折の中、再度中東、アジア各国、そして日本で就職活動を2ヶ月ほどしたところ、東京のマンダリンオリエンタルを含め、いくつかの内定をいただき、現在どの進路に進むか検討中であります。

 

中東にあるカタールでの仕事って、あまり想像がつかないのですが、アメリカや日本のホテルと違いはありましたか?

 現場環境、文化や言語などいろいろな面で全く違いました。経営は完全にアメリカ式でしたが、アメリカ国内、そしてアジア地域などにあるリッツカールトンとはサービススタンダードの面では見劣りする所もありました。その中で、従業員一同いつもベストを尽くしていました。職場はインターナショナルで、色々な文化的背景を持った方々が働いています。その点ではアメリカの都市部のホテルとは似ている部分がありますね。その中で1人の人間として振舞うことも大切ですが、1人の日本人として振舞うこともまた大切なことでした。

労働条件は、先進国とは全く違います。まず、給料が物凄く低い、そして週休1日。その代わり、日常生活は全て会社が面倒をみてくれます(現地への渡航費、ビザ申請、住居、光熱費、食事、保険すべて)。部屋は相部屋でした。大学の寮みたいなものです。スタンダードの面では他のリッツに見劣りする部分はありますが、そこにある企業理念は一流ですし、貴重な異文化経験も得られます。卒業したての方は是非働いてみて欲しいですね。若いときにしかできない貴重な経験ができると思いますよ。

では、実際にリッツカールトンではどのような業務をされていたのですか?
 ゲストリレーションズです。主に顧客ファイルの更新、VIPのチェックイン、アメニティーのコーディネイト、あとは部内の新人教育と世話です。
仕事で面白かったことはどんなところですか?面白かったストーリーや、やりがいのあった出来事などお聞かせください。

 そうですね、お客様、同僚を含めていろいろな人に出会えることです。お客様は一般客から国家元首までさまざまな方にお会いしました。辞める直前には、ドーハで開発途上国サミットがありまして、リッツカールトンにはアフリカ諸国の元首がご宿泊されました。会議の期間中、ホテルは対外にはシャットアウト、関係者のみの入館でした。その時は2週間休みなして働きましたよ。ほかには、カタールの皇太子殿下の結婚式です。会場は王宮でしたが、館内には湾岸地域の有力者の方々がご宿泊されました。例えば元サウジアラビアの石油相等。

同僚は日本人には少し馴染みの薄い国々の方が多かったですね。例えば、レバノン、シリア、チュニジア、エジプト、モロッコ等。本当に良い人達ばかりで、今でも懐かしく思います。その人達を通してその国の文化が少しでも身近に感じられますし、日本に帰国した今でも、その国のことがテレビで紹介されたら思わず見てしまいますね。

仕事で大変だったところはどんなところでしたか?

 そうですね・・・結構ありました。極端な話、仕事が大変なのはあまり気になりませんが、1番大変だったことは、モチベーションの維持です。前述したとおり、ここのリッツカールトンのスタンダードはアメリカのものに比べてかなり劣ります。アメリカのスタンダードを期待した僕は、その落差にかなりショックを受け、悩みました。また、その状況を変えようとしても、役職に就いているわけでもなく発言力がないので、苦労しました。よく、自分はなぜここにいるのか?とも悩みました。毎晩ルームメイトと愚痴を吐いていましたね。

で、結局3年いるつもりが、耐え切れなくなって、ハワイの話を受けることになったわけです。我慢強くなかったといわれればそれまでですね。でも、当時は本当につらかったです。でも、今、同じ状況に直面したら、その経験のおかげで我慢強くできますし、その状況を変えることにもっと力を入れることができると思いますが。

どのようにしてその仕事を見つけたのですか?

 ある日、インターネットで偶然見つけました。その時は面白半分でレジュメを出してみたんです・・。そしたら返事が来て、電話面接を数回経て、採用になりました。

レジュメ、カバーレター(大切!!)に関しては、大学在学中に学校構内のキャリアセンターに通いつめて添削してもらいました。これは本当に役に立ちますよ、是非通う事を薦めます!!電話面接では、リッツに対する在学中からの思いと、中東に対する興味を述べました。リッツの面接は独特で、性格診断テストの要素が強いですね、今回のドーハを含めて全部で3回ほど経験しましたけど、中々興味深いものがあります。でも、彼らが何故ベストカンパニーの1つなのか、分かりますね。

就職活動全般に関しては、私の経験から言うと、日頃から信念・目標を持って頑張れば、必ず道は開けます、

例えば、私のUNLV在学中の目標は全部叶いました(NYでのホテルにおいてのインターンシップ、リッツ・カールトンでの勤務経験、マンダリン・オリエンタル東京へのオープン時からの参加等)これら全部を実現したことには多少の運もあります。でもその前に絶対に諦めない事です。

どんな些細なチャンスも試してみて、経験する事です!そして、その経験から学ぶことですね。例えば私のリッツ就職の場合、もし、いつもこまめにネットをチェックしていなければ、そのチャンスは見つからなかったかもしれません。レジュメ(きちんと何時も添削されていること!)を送らなかったら、何も起こらなかったかもしれません。

そして、以前リッツを受けた際の面接に落ちた経験が無ければ、今回の面接は受からなかったかもしれません。そもそも、働きたいと興味を抱いたリッツに関して、在学中に日頃から調べたりしなかったら、本当に応募しようなんて、思いもしなかったでしょうね。小さい事の積み重ねです。

ホテルで働く人間として成功していくために必要なものとは何でしょうか?さらに、文化、宗教の違いに対する心構えは? 

 まだ私は成功を掴んでいません、今までは挫折のほうが断然多かったです。自分でも、いつも100パーセント出来ているかまだ疑問ですが、僕は仕事、人間に対する謙虚さと、誠実さを維持する事だと思います。どんな仕事でも、やがて慣れがでてダレ・愚痴、そして不満が出てきます。僕ももれなくその1人です、でもそんな時はいつも、自分に「夢、目標の実現であるホテル、リッツで働いている、そして、普通の人が出来ない貴重な経験を得ている、そんな環境で不満、愚痴を言うのは許される事ではない、もっと謙虚になれ!」っと、自分に言い聞かせていました。

宗教、文化の違いと言う質問に対してですけど、同僚に対しては、いつも1人の良き人間、先輩として誠実に接する事です、その際相手の文化、宗教に対する違いに対する尊重は勿論大切ですが、私はその前に彼・彼女達を1人の個人としてみる事に努め、そして、そこから1人1人違った1個人として接することにしています。

でも、再度繰り返しますけど、100パーセント出来ているとは思っていません、時々、わが身を忘れて、上司に反抗、同僚に暴言を吐いたりすることもあります、それで、アメリカでも、ドーハでも何度か始末書を書かされました。まだ修行の身ですから。


異なる宗教や文化を持つ土地でのキャリアは、今後にも大いに役立つ貴重な経験となることでしょう。小さいことを積み重ねること、どんな些細なチャンスも試してみる事、絶対に諦めない事、謙虚である事、誠実である事、、、、沢山の貴重なメッセージが込められたインタビューでした。



今回の就職活動で、世界中のホテルから内定をとったそうですが、それは新居さんの何が良かったからからだと思われますか?

 そうですね、自分の進みたい分野がハッキリしている事、そして、その会社に本当に入りたい、そしてそこで学びたいという熱意です。

例えば、僕は宿泊部門でのキャリアを考えていますし、そこでのキャリアプランもあります、それをハッキリ持っていること。

もし、その相手のホテルが異国でしたら、その国、地域、文化に興味をもつ事でしたね。あと、応募先ホテルの担当の方々に対して礼儀を持って接したことかな?例えば、面接の後は担当者にお礼のメール、そして面接をアレンジしてくれた方にも、お礼のメールを何時も出すように心がけています。

UNLVで勉強したことや、留学生活は、役にたっていますか? たっているとしたら、どのようにですか?
 ハッキリ言って、成績は悪く、駄目学生でした。ですから、勉強した事は必ずしも全部役にたっているとはいえません。でも、教科によってグループワークが色々有りました、そのなかで作業を通じての人との接し方は勉強になっています。 留学生活ですか・・・いい意味でも、悪い意味でも村社会でしたね、その中で得た物は役にたっています。個人的な意見ですけど、留学時に出来た友人達との連絡が、留学後、私の周りでは途絶えたり、あんまり活発でないのが少し寂しいですね。あの時の付き合いは何だったのかな?と思う時もあります。
これからの夢を聞かせてもらえますか。

 ホテルの宿泊オペレーションのプロになる事ですかね。私にとって、宿泊はホテルのメインファンクションだととらえていますから。あと、今まで色んなホテルの現場で出会ってきた方々、ずっと、関係を保ち、連絡を取っていきたいですね。そして、将来また何らかの形でその方々と一緒に働けたら、と思っています。

もし、学生に戻れるなら何をもっとやり直したいですか?学生へアドバイスをお願いします。

 そうですね・・・個人的には、語学をもっともっと磨きたかったですね。書物で得た知識は、いつかは忘れます、でも、語学は一生使えますからね。アドバイスですか?私はまだ、人にアドバイスを出来るほど、偉くないですけれども、1つだけならば、いつも心がけて、何事にも誠実に、そして謙虚にですかね?本当、思っていても、なかなか常に実践する事は難しいですけどね。

イーメイルアドレスを公開されても構わない場合、イーメイルアドレスをお願いします。

 どうぞ、a_sanri@hotmail.com です。質問を受けた場合は、どんな質問でも可能な限り返事します。


今回、新居さんは日本に滞在中だったため、イーメイルと電話でのインタビューをさせて頂きました。インタビュー後、新居さんは悩んだ末に、マレーシアのフォーシーズンズホテルに就職されたそうです。これからも国際舞台で頑張って下さい。今回はどうも有難うございました。

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